特定非営利活動法人
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こんなときどうすればいいの

『こんなときどうすればいいの』は、療育ねっとわーく川崎が発行している会報に掲載しています。



Q

 11月に入っても、川崎市のヘルパー制度・地域生活支援事業の大きな混乱が続いています。当事者や家族の方々はもちろん、どの事業所もそれこそ「こんなときどうすればいいの?」という状態です。今回は、いつものQ&A方式ではなく、身体障害当事者の佐藤紀喜さんが県会議員あてに送った手紙をご紹介します。現場でいま何が起こっているのか。耳をすませてみて下さい。

A

私は川崎市在住の四肢麻痺(頸随損傷)の障害者です。10月から本格施行となった障害者自立支援法の実情を知っていただき、川崎市の障害福祉に対する取組が改善されるよう、働きかけていただけるよう、お願い申し上げます。

川崎市からの制度案内を見ると、あたかも障害者の暮らしが良くなるように見えます。しかし、実際に生じているのは報道等でも指摘されているとおり、福祉の逆行および格差の拡大です。川崎市はなぜか当事者や事業所の声を施策に反映させようとせず、かたくななまでに制度変更を貫く姿勢を取っています。県内でもほかの地域では助成等で前制度サービスを維持できるよう努力している、と聞きます。このままなし崩しで川崎市のやり方が通ってしまうと、雪崩現象のように、他の自治体も右にならえとなる恐れが濃厚です。川崎市長、市議にも同様の要望はしておりますが、市のみの問題ではすまされません。

(1) サービス一割負担

私自身は現在一般就労しておりますが、膀胱・直腸機能障害があるため、排便に訪問看護の利用が必要です。そのため訪問看護を受ける日を休職し、やむを得ず週3日勤務にしています。

新制度ではサービス利用が原則1割の負担となりました。負担上限額の設定もされていますが、決して楽ではありません。負担分に見合ったサービスの安定確保と質の向上が見込めるならまだ納得もできますが、実際は事業所に下りる単価が大きく下がるため、サービス維持の保障もなく、質も下がる危険性が高くでしょう。しかも、足りないサービスはボランティアで行え、という市の姿勢は、到底納得できるものではありません。

普通に暮らして働いてゆける環境をつくっていただければ、給与もとれ、負担もはらえ、納税者にもなり得ます。やみくもに負担がいやだと言っている訳ではないのです。払える状況下にあれば払います。もちろん、障害が原因で就労不能な方もいるでしょうし、障害者年金のみで暮らしている方もいるでしょう。15,000円や37,200円くらい大したことはない、と思われるかもしれませんが、障害者の所得状況からすれば、非常に大きい負担なのです。透明性のみを求め一律に一割負担というのは、障害者の自立とはかけ離れたものではないでしょうか?

(2)障害区分とサービス

新制度では、障害の度合いにより区分認定をし、サービスを提供することになっています。たとえば在宅で一人暮らしの重度障害者などはサービス量が必然的に長時間になりますが、これには「重度訪問介護」という分類でサービス提供が行われます。川崎市では、この重度訪問介護の乱用が目立ちます。サービス内容は全く同じでも、事業所に入る単価は大きく異なり、特に1時間だけの朝ケアや夜ケアの場合、単価は半分以下になり(4000円→1600円)、ヘルパーを派遣すればするほど赤が出ます。利用者にとっては1割負担の分が減るからいいだろう、と思われがちですが、単純にそうは言えず、事業所がこの単価でサービスを継続的に提供していくことは不可能です。サービスをやめてしまえば利用者が困窮するのでやむを得ず継続するけれども、新規の依頼を受ける体力は残っていないし、しかもサービスを提供しつづければ事業所はつぶれかねない、というのがヘルパー事業所の現実です。このままでは、サービスを十分に提供できる事業所がなくなり、最終的に困るのは私たち障害当事者です。

ヘルパーを生業として生活できる基盤を作っていかなければ、障害者の安心・安定した在宅生活は確保されません。

(3)移動支援

川崎市の新制度では、移動支援を「社会参加のため」と「余暇活動のため」に分けており、かつ5時間以上の外出はボランタリーで行う(ヘルパー事業所は5時間以上サービスを提供しても別に構わないが、その分の単価は支払わない)、となっております。

まず、障害者の外出を、社会参加と余暇活動に分ける根拠がわかりません。その根拠は何でしょうか?

また、「5時間以上はボランタリー」という制度設計をしたということは、「5時間以上の外出保障はしない」ということです。事業所の時間単価も大幅に下がったうえ、社会参加と余暇活動でなお単価に差をつけ、とどめのように5時間制限です。多くの事業所が撤退せざるをえない状況です。また5時間を超えると突然ボランティアに変わるなどという事業形態はありえません。結局5時間以上の外出支援を行える事業所は皆無となり、障害者は5時間以上出かけたければボランティアを探せ、ということになります。

 (4)当事者向け(個人対象)説明会開催の希望について

10月よりの障害者自立支援法の具体的施行に伴い、利用案内のパンフレットが届きましたが、これだけで制度を理解および活用しろというのは、無理があります。当事者向けの説明会がないのは何故でしょうか? 事業所向け説明会が開かれて、当事者向けの説明会がなされない。このような事態があり得るのでしょうか? 当事者団体には説明があったのかも知れませんが(事実は知りません)、少なくとも私個人の所にはなんの通知、連絡もきておりません。

以上、私自身に関わる事項のみを記載いたしましたが、通所施設・入所施設・グループホーム等々でも、問題は山積です。全てのサービスが公費から賄われていることも充分認識しておりますが、当事者になんの説明もなされぬままに、負担増・サービスの削減・低下につながるものを容認する訳にはいきません。

どうか、現場の実態を精査され、神奈川県、川崎市の福祉が誇れるものとなるようにご尽力いただけるよう、ここに切望いたします。

Q  知的障害の息子は、興奮すると何度もぴょんぴょんとびあがります。体重も重くなったため、先日はとうとう床を踏み抜いてしまいました。  ・パニックがあると、バンバンとガラスを叩き、廊下のドアのガラスを割ってしまいました。入れてもまたやるのかと思うと、危ないので、今はガラスを入れないようにしています。でも冬になったら寒いし、どうしましょう。  ・水が大好きで、ちょっと目を離すと、台所が水浸しになっていたりして・・

A  こんなお困りごとをヘルパーで訪問したときなどに、よく伺います。 障害のある方たちの住まいの悩みを解決したいと、若い建築家の方が、活動を始められました。 「バリアフリーだけでは解決しない」という悩みでお困りのご家庭へ ・ 床や壁をたたく方には・・衝撃を和らげる素材を貼る ・ 床を水浸しに・・掃除が簡単な床材にしたり、防水加工を施す ・ 窓ガラスを割る・・ガラスの悲惨防止のフィルムを貼る そのほか、安定できるような内装にするなど、対応はいろいろ考えられるそうです。それぞれの方の問題に対してサポートすることを目指されています。 ご紹介します。 『知的障害者とその家族をサポートする家』設計します。 ご家庭の状況に合わせ、必要とされる設備(防音・防水・クッション、etc…)をご 提供いたします。 新築・リフォームを関わらず、お気軽にお問い合わせ下さい。(ご相談は無料です) 一級建築士と元養護学校職員がタッグを組んでニーズにお応えします! 鞄c中俊行建築空間設計事務所 http://ttaa.co.jp/ 03-3583-6088 リホームにかかる費用は、療育手帳Aの方は、やさしい住まい推進事業(川崎市)により必要な費用が給付されます。これには所得に応じての負担があります。窓口は保健福祉センターになります。

Q   知的障害者の息子は、現在他市にある入所更生施設に自由契約で入所中です。4月に水沢に新しく施設が出来るということで、移るかどうかを迷っています。  入所希望者が多いのでこの時期に申し込まないと後からは入所は困難だと聞いています。入所選考はいつごろどのようにされるのでしょうか。  また、自立支援法の施行で、来年の4月からは、入所施設も大きく変わるのではないかと思います。中でも夜間の居住と日中の活動が分かれることになっているようですが、水沢の場合は、入所者が通所先を選ぶことはできますか。また、入所後2年すがると、地域移行することになるといわれていますが、現実に地域移行のためのグループホーム等は準備されるのでしょうか。

A  三篠会・水沢地区知的障害者入所更生施設開設準備室室長の阿部さんに伺いました。  入所の申し込みは、保健福祉センターで受け付けています。すでに定員を上回る希望申し込みがあります。今後10月以降、入所調整会議で入所者が決まる予定です。調整会議は、福祉事務所長・更生相談所・療育福祉課と当法人で行います。    自立支援法の施行で、入所施設の基準等も大きく変わってきていて、実際に運営する側は、厳しい対応を迫られています。水沢の場合は、既存の施設と違って経過措置がないため、自立支援法の国基準による職員配置になります。川崎市の上乗せがないと、十分な職員配置は困難です。 今回の改正で入所施設は、日中活動と夜間の居住支援にわかれます。  水沢の施設では、日中活動として、生活介護(介護給付)と生活訓練(訓練等給付)の事業を行う予定です。  生活介護の対象者は、障害程度区分4以上の方になり、年限を区切らずに夜間の生活の場として入所施設を利用できます。生活訓練の方は、区分に関係なく利用できますが、2年後に見直しがあり、入所(居住の保障)から地域での生活への移行が検討されます。ただ、その保障は現在のところ具体的にはされていません。  日中活動の支援は、1階の活動スペースで全員に対応する予定です。本人の希望があれば、他の施設に通所することは可能です。ただ、送迎の問題などは今後の検討課題になるでしょう。   水沢の施設について、詳しい説明の場をいつでも開きますので、ご希望の方がいらしたら、ご連絡ください。

Q  現在、息子が養護学校の高等部に通っています。お休みの日に家でじっとしてると、イライラして物を壊したりするので、土日や長期休暇中は大変です。家族でも努力してきましたが、どうにもならないところは色々なサポーターさんの助けを借りてきました。 そんななかで、母親の私が長期療養の必要な病気になってしまいました。大変困りました。 何度も福祉事務所に行き、外出支援と身体介護でヘルパーの時間を増やしてもらいました。ふれあいサポートも紹介してもらいました。何とか学校送迎や、放課後の支援が受けられるようになって、ちょっとほっとしたところです。 でも、10月から、また制度が大きく変わると聞きました。今までのような支援を利用できるのか、また何度も福祉事務所とやりとりしなければいけないのかと思うだけで、気が重くなります。

A  地域生活支援事業(移動支援事業+生活サポート事業)の概要が発表されました。 皆さんもご存知とは思いますが、福祉制度の大規模な再編が進んでいます。川崎市でも、10月から、新たに、移動支援事業/生活サポート事業(学校送迎や見守りをふくむ)などがスタートします。しかしそのぶん、これまでの移動介護(外出介護)がなくなったりします。 トータルでみると、どうなるのでしょう。 わかりにくいところが色々とあります。 川崎市側の説明によれば、現在利用している福祉サービスは基本的にそのまま維持していく、とのことでした。 なお今後の福祉サービス体系の全体像は、次ページ★のようになります。 一人ひとりの生活にあわせて、福祉事務所/地域生活支援センターが、個別の「支援計画」をトータルにたてていきます。  ○川崎市の説明によれば、10月以降は今まで以上に「相談支援」の責任をしっかりと整えていく、という予定のようでした。  成人の場合――相談支援事業所は、地域生活支援センター(市内40ヶ所)になります。また、各区の福祉事務所(保健福祉センター)も対応してくれるようです。どのような支援が必要か、相談支援事業者に伝えて、プランを作ってもらい、連絡調整をお願いするということです。 また、臨時的な利用が必要な場合は、「相談支援事業所による代行申請」も可能です。 児童(未就学児のみではなく、学齢児をふくむ)の場合――相談支援事業者は、地域療育センターになります。 また今後は、療育センターだけではなく、地域生活支援センターも、相談をひきうけてくれるようになるようです。  ○とはいえ、10月以降の福祉制度がどうなっていくのか、事業所側からみても、まだまだわからないことが多いのです(この時期にもなって!)。川崎市の地域生活支援事業の内容が示されたのも、ようやく7月18日の事業者説明会でのことでした。各事業所の皆さんにも、不安や混乱があります。

Q  知的障害者の21歳になる娘の今後のサポートがとても心配です。現在、衣服の着脱・食事・トイレは見守り、一部介助である程度自分で出来るようになってきており、言葉での指示も大体のことは理解できます。  高校生の頃から、ヘルパーを頼んで外出していて、現在は毎週土曜日か日曜日に1対1の外出支援を受けていますが、子どもは毎回楽しみにしていて、それを糧に施設での作業もがんばれています。 が、今回障害者自立支援法で制度が大きく変わってしまい、これから判定される区分によって今まで使っていた支援も使えなくなるようですが、介護の項目が80%(と聞いています)の調査では、うちの子の場合判定が軽く見られてしまうのでは?と不安で仕方ありません。一人で身体を動かすことができても、一人で行きたいところに行くことはできないのです。(これまでのような外出支援を受けることができなくなったら、家で過ごすか、子どもがいくつになっても親と一緒に出かけるしかないのでしょうか?) こどもが楽しく豊かな気持で、親がゆったりした気持で生活していけるよう、今使わせていただいている支援を削らないで、現状維持での支援を望んでおりますが、今後どのようになるのか?どのようにしていけば良いのか?この先が見えずとても不安です。

A  自立支援法での認定調査は106項目あり、そのうちの80項目は介護保険の認定をベースにしているため、障害特性が現れにくいことが問題になっています。6月6日には、知的障害者の福祉サービスの確保を求める緊急集会が日比谷で行われました。17団体5500名の関係者が集まり、障害程度区分の抜本的見直しの要望も出されました。 神奈川県でも、神奈川県育成会や川崎市の地域福祉協会等7団体による緊急シンポジウム「地域での暮らしやすさを実現するために−本当にこの制度で生きられるか!−」が7月8日予定されています。(カレンダー参照) 認定調査の方法について、支援センターの方に聞いてみました。  どこで、どのようにして受けられるのでしょうか?     「認定調査は、居住区の保健福祉センターが、利用者の方の障害等も考慮して委託した支援センターによって行われます。その人の状態がよく把握できるように、自宅や通所施設で行います。  川崎市の場合は、申出書の段階で利用者のニーズを先にお聞きすることになっています。今利用されているサポートや今後必要とされるサポートについての希望を重視することになっています。その辺りをよく申し出てくださると良いでしょう。」ということでした。   次に、今後の外出支援について、川崎市の自立支援担当の方に聞いてみました。  今までのような外出支援が地域生活支援事業に移行する方向で進められているようですが? 「10月から始まる市町村が行う地域生活支援事業には、(相談支援事業・コミュニケーション支援事業・日常生活用具給付等事業・地域活動支援センター機能強化事業と)移動支援事業があります。その要綱が6月26日に行われた厚生労働省の主幹課長会議で明らかになりました。川崎市では、4月中には方向を固めるつもりでしたが、厚生労働省の要綱が出るまで待たざるを得ず、残念ながら、現時点ではまだ具体的な内容を発表することができません。かといって、10月実施に猶予はありません。実施する中で、不具合があれば検討していこうと考えています。 障害の重い方の外出については、重度訪問介護・行動援護等で保障ができます。それ以外の方は、新たに始まる地域生活支援事業の中での対応となります。」 (10月から、始まるということなのに、当事者に説明すらできない状況のようです。誰のための自立支援法なのでしょうか? ・・・谷)

Q  養護学校に通う高校生の男の子の母親です。学校へは通えていますが、土日は家に閉じこもって過ごしがちの今日この頃です。本人も外へ出たい気持はあるのですが、どこへいっていいのか、行き場所がよくわからないようです。わたしも、制度のこともあまり知りません。身の回りのことは大体自分でできますが、外出には介助者が必要で、かれの将来のことを考えると、親以外との経験も必要かな、とも思ったり……。土日のお出かけにはヘルパーを使える、と聞いたのですが。

A  最近、同じようなご相談を続いて受けました。それだけ、ご本人と家庭の潜在的ニーズがあるのだと思います。将来のことを考えると、家族以外の人とかかわることで社会的経験の幅をひろげてもらいたい、という方もいました。  まずお尋ねの件ですが、高校生以上の方については、ヘルパーの「外出介護」が利用できます。土日のお出かけなどに、ヘルパーがついていくものです。これは、基本的には各区の保健福祉センター(福祉事務所)へ連絡するのですが、不安な点などあれば、まずは身近な相談機関などにご相談されてはいかがでしょうか。  また、ヘルパーよりも少しボランティアに近い制度として、川崎市の独自制度としての「ふれあいサポート」があります。これは1回3時間(一日2回まで)、内容は学校送迎や見守りをふくんでいます。連絡窓口は、NPO法人わになろう会(電話・FAX 711-5078)です。  ただし、ヘルパーの外出介護、ふれあいサポートともに、10月から、制度が変わることになっていますので、その点もご心配でしたら各連絡先にお聞きしてみて下さい。  そもそも相談場所が身近にきちんとあることが、大切だと思います。成人の方については地域支援センターがありますが、児童期(地域療育センターに通園していない)に関しては、相談する場所ってどこなの?とやや困ってしまったりします。たとえば各養護学校も、現在、子どもたちの地域支援を進めています。養護学校の中には、そのための「地域支援」の部門があります。連絡先については、本誌の★ページの一覧表をご覧下さい。  麻生養護学校の地域支援部の岡安れさんから、以下のようなコメントをもらいました。  平成17年12月に中央教育審議会より出された「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」には、養護学校のセンター的機能として、以下の6つが例示されています。 @ 小・中学校等の教員への支援機能 A 特別支援教育等に関する相談・情報提供機能 B 障害のある幼児児童生徒への指導・支援機能 C 福祉、医療、労働などの関係機関等との連絡・調整機能 D 小・中学校等の教員に対する研修協力機能 E 障害のある幼児児童生徒への施設設備等の提供機能 各養護学校等では、地域の支援センターとして、地域の支援を必要としている子どもたちに関する教育相談、地域への施設開放(体育館、音楽室など)、公開講座、ボランティア養成講座等を実施しています。特に、教育相談機能では、地域支援/地域連携担当等が、養護学校等の専門性を生かして、地域の支援を必要としている子ども、保護者、支援者等の相談に応じます。

Q 21歳の自閉症の息子がいます。支援費制度が始まって、入所施設ではなく、地域で自立した生活が出来るよう地域移行型にしていくという考えは私も同感です。そのためには、色々な場面でこだわりやパニックを起こす我が子が安定した精神を日々保ち、その状態を覚えてもらう必要を感じました。デイサービス・居宅サービス・ショートステイに協力していただき、環境を整える協力を皆でしてきました。それでもこだわり、パニックが起こると家から離さないとなおりません。この場合は、ヘルパー対応も無理で、シンプルに過ごせる入所施設のショートステイを利用して落ち着いてもらいます。ところが、緊急のショートステイ枠は、いっぱいなことが多く、日中ショート枠にずいぶん助けてもらっています。それが.9月で廃止する方向で考えていると聞きました。とても困っています。 Kさん
(児童施設の日中ショートステイがあることで)兄弟時の学校の用事や老親の通いの付き添いなど、少しの時間を助けてもらえれば、日々の暮らしが成り立っていく面を持っています。.簡単にボラさんやヘルパーさんを見つけられない、一人で留守番をさせられない、障害のタイプの子どもを持つ親にとって、なくてはならない制度です。どうぞ10月からの見直しで、なくさないで下さい。

A  この件について、複数の入所施設の支援センターの方に聞いてみました。 支援費制度にはあった日中ショートステイがなくなるということですが? ・自立支援法では、10月以降からショートステイの利用は1泊単位からとなります。日中ショートステイは基本的にはなくなります。 ・10月以降は、入所施設も夜間ケアと日中活動に分かれます。日中活動はその施設によって、自立訓練や生活介護などの支援が行われます。今後は日中活動の利用枠も広がり、入所施設利用者以外の方も、契約をされれば日中活動を利用することはできることは不可能ではありません。しかし、そのためには各施設との契約が必要で、緊急的な利用は難しいでしょう。 ・川崎市の中でも検討はされているようですが、具体的な方策はまだ出されていません。 児童施設の場合はどうなりますか? ・児童施設でのショートステイも、同じように日中ショートはなくなります。 ・現在かなりの方が利用されており、緊急的な利用の方や、日常的に日中ショートを組み込んで生活を維持されている家族の方もおられます。    Kさんから・・日中ショートは、緊急対応の場として、どうしても必要です。しかし、場所さえあれば、どこでもいいというのではありません。安心して利用できる場、その人に合わせた対応がしていただけるように、実情をしっかり分かっていただくよう、利用している人が声を上げていきたいです。

Q  我が家には、重度自閉症と知的障害を併せ持つ、男の子がいます。今後養護学校の高等部にあがります。言葉は挨拶を数語発する程度です。耳や目からの刺激に非常に過敏で、特に人の集まる所、うるさい所は大変な苦痛で、激しい他害を伴ったパニックを起こしてしまいます。安定している時にはとても穏やかなのですが、気候の変化や学校での行事、その他ほんのささいな事からパニックになってしまうこともあります。体重が90キロもあり、筋力もとてもあるため、パニックの時間は短いとはいえ、男性のヘルパーさんでも危険な状態のこともしばしばです。 集団の中でサービスを受けることはとても難しい状態です。新しく適用される障害者自立支援法で、こういう子供の場合、どういう支援が受けられるのでしょうか。色々と難しい状態の子供ですので、日常の親の負担は大きく、だからこそより支援が必要なのですが……。

A  平成18年4月からの自立支援法のスタートに伴い、ヘルパーなどの在宅支援のありかたにも変更が見られました。その一つが、「行動援護」と呼ばれるサービスです。川崎市ではこの4月から実施予定です。3月28日に開催された川崎市障害計画課の「行動援護についての基礎研修」での説明によると、「知的・精神障害により、行動上著しい困難がある者(児)であって、市町村から行動援護の支給決定を受けている者(児)」が、行動援護を利用できるとされます。  支給決定については、障害程度区分認定(児童の場合は別区分)の内容と、「行動援護の対象者の基準表」(12項目で、10点以上が要件)に基づいて、川崎市が決定を行います。 平成18年10月からは「移動介護」がなくなる(移動支援事業へ移行する)こともあり、特に行動障害などのある方の地域での外出系介助については、行動援護がどの程度根付いていくかが、ポイントの一つになりそうです。  現時点でもすでにいくつかの問題点(1日5時間までしか使えない、二人介護が認められない、事業所・ヘルパーの要件が厳しく対応できる人が少ない、負担額が大きい、等)が指摘されていますが、今後、行動援護のサービス内容は徐々に改善されていく見込みです(10月にも見直し=要件の緩和があります)。その点で現場の実態とニーズを押し上げていくことも大切になりそうです。  ご不明の点については、各区の福祉事務所か地域生活支援センター、または障害計画課(044−200−2928)までお尋ね下さい。

Q  娘は現在12歳、小学6年生です。重度の知的障害があります。保育園、学童保育、わくわくプラザを利用しながら、私は仕事を続けてきました。わくわくプラザへ 移行する時も、本当に安全で安心して預けられる場所なのか話し合いなが ら、娘も楽しく参加してきました。ところが中学生になると放課後や 長期休みに過ごせる場所がなく、私も仕事をすることが難しいのかと思 えてきました。娘が仲間と放課後安心して過ごせる場所はありませんか?

A  「障害のある子どもたちが、放課後や夏休みに、安心して友だちと過ごせる場所がほしい。」との要望は、2004年、2005年と「豊かな療育を考える会」が行ったアンケート調査で最も高かったものです。 国も全国各地での放課後支援の活動に応えるように、昨年からタイムケア事業を始めていました。  川崎市は、この4月から中高生の放課後をサポートするタイムケアモデル事業を始めます。そのために約3000万円の予算が立てられています。国の施策を更に柔軟にした内容となっていて、今後に期待がもてそうです。
Q どこで行われるのですか
 6カ所のこども文化センターで、施設管理は市民活動センターが行います。運営は、法人格のある事業所を対象に現在公募中で、3月中旬には決まります。   実施施設 定員 実施日 川崎区 渡田こども文化センター 10名 月水金 幸区 南加瀬こども文化センター 10名 火木土 高津区 二子こども文化センター 10名 月水金 宮前区 宮前平 10名 火木土 多摩区 三田 10名 火木土 麻生区 東百合丘 10名 月水金  中原区は、今回作られませんでした。
 Q これを見ると毎日利用ができないようですが。
 今回は、モデル事業ということで、限定があるようです。 ちょっと大変かもしれませんが、2カ所のこども文化センターの利用も可能だそうですので事業者と相談してみて下さい。  
  Q 利用時間はどうなりますか。夏休みや長期休暇中はどうなりますか?
 放課後から6時までとなっています。祝日と日曜日は休みです。 夏休みは朝10時から6時まで利用ができます。
  Q 学校から離れているので一人で行くことはできそうにありません。送迎はしてもらえますか?
 運営する事業者が行うことになっていますが、広範囲の送迎を全て対応できるかどうかわかりません。
  Q 利用者の費用負担はあるのですか、あまり高いと利用できません。
 国は1回1000円の提示でしたが、川崎市は 4時間以内310円 4〜6時間390円 6時間以上500円としています。
  Q 詳しいことを知るには、どこに聞けばいいのですか?
 担当する事業者が決まるのは、3月中旬過ぎとなります。その後、各事業者ごとに利用者説明会が開かれる予定です。それまでは、療育福祉課にお問い合わせください。
  Q タイムケア事業については、わかりました。でも、夏休みなど10時からの利用となると、とても仕事を続けることができません。他のサービスも利用できるのでしょうか。
 自立支援法の実施に伴なって、川崎市単独で行ってきたサポート事業が、整理されることになるそうです。在宅心身障害児一時介護制度や子ども文化センターを利用して行っていた川崎市心身障害児援助事業はなくなり、ふれあいサポートに1本化されることになっています。タイムケアを利用しつつ、それ以外の時間にふれあいサポートを利用することは可能です。ふれあいサポート事業も次年度は拡大されます。就学前(3歳以上)の利用も可能になるようです。 4月〜9月までは、今までどおりの居宅介護のヘルパーが利用できます。4月からは利用量に応じて、1割の自己負担が始まります。ただし所得に応じた上限設定が定められていて、課税世帯の場合は3万7200円、非課税世帯Aの方は24,600円、非課税世帯@の方は15,000円、生活保護世帯は0円となっています。